WEST.推し活日記

WEST.愛を語ります

ブロードウェイミュージカル キャメロット観劇レポ

キャメロット感想

原作読まずの感想です(帯付き単行本購入していましたが分厚くて途中で断念しました)

解釈や覚え違いがあればごめんなさい。ミュージカルも舞台もほとんど観たことのない初心者です。桐山照史くんのファンです。大阪公演3回観劇しました。

 

詳しくはこちら

キャメロット

日生劇場  2023年10/7〜10/28

大阪松竹座 2023年11/4〜11/20

www.shochiku.co.jp

 

Overture

生オーケストラの演奏が始まり、徐々に客席の明かりが消えていく演出が素敵だった。最初緩やかに始まり、徐々にテンポも音量も上がって、これから始まる物語に胸が膨らみ高揚して涙が溢れた。ステージ奥の譜面台を照らす明かりがほのかにぼんやり灯っていて幻想的だった。

 

*普通ミュージカルはオケピという、舞台手前に窪みがあってそこでオーケストラが演奏するそうで、それも初めて知りました。今回はオケピがなく舞台奥にオケがいたので、その分客席から舞台が近くてとても迫力がありました。

 

王様が今夜してること

アーサー歌唱

マーリンがアーサーを呼び木の上から登場!幼い頃のニックネームはボンクラ。

結婚が怖くて逃げ出したい、女性に奥手な若き王。まだまだ未熟で頼りなさげな姿が印象的でとにかく可愛い。このシーンだったか、階段に座って歌うのって難しいと思うけど、坂本くんの歌唱は伸びやか。

話し方や仕草、声のトーン、歌い方で青年期から壮年期まで演じた坂本昌行さんの演技はとても素晴らしかった。

 

乙女の喜び 

グィネヴィア歌唱

グィネヴィアの登場

第一声はとっても透き通った高く美しい声で感動。赤いマントに初々しさと可憐さを感じてなんて可愛らしいの!だけどちょっと待って?歌詞を聴くと、2人の男性に取り合ってほしい?争いの火種になりたい?望み通りになり悲しい結果になった事が皮肉。恋したい乙女の気持ちは分かるけどね。唯月ふうかさん演じるグィネヴィアはとても可憐でチャーミングで終始乙女だった。

 

政略結婚から逃げ出してきたグィネヴィア。アーサーとの最初の出会いのやり取りも可愛かった。紳士的なアーサーに対して無防備な私を捕まえないなんて失礼って言う所がとても可愛くもありお姫様感。

物語の始まりをクスッと笑える演出で、すっと入り込めて、一気に緊張が解けた瞬間だった。

 

キャメロット 

アーサー歌唱

昼間には雨は降らない

朝の8時には霧が晴れる

夏は9月まで

冬は12月から3/2まで

暑過ぎず雪も降り過ぎない

落ち葉は夜の間に風で吹き飛ばす

法律で決まってるなんて最高!キャメロットに住みたい。アーサーの歌い方が優しくて好き。世界で一番幸せに暮らせる場所だったのにね…

 

キャメロットリプリー

グィネヴィア歌唱

初めは不安で怯えていたグィネヴィア、アーサーの優しさに触れ緊張がほぐれ、情熱的で若々しくハツラツとして希望に満ちていた。

 

私についてきなさい 

ニミュエ、アンサンブル歌唱

ニミュエの歌声がとても怪しく美しく綺麗で感動的だった。紫のドレスも素敵。

アーサーは幼い頃妖精に育てられ、動物に変身して世の中を見聞きしたり、未来が分かるマーリンにいつも決断を委ねたり。

マーリンは未来の記憶が薄れてアーサーの元から姿を消す。アーサーに考える事を止めるなと言った真意が気になる。

 

5年後

めでたく結ばれた2人だったが争いの絶えない現状をなんとかしたいアーサー。武力ではなく話し合いで解決する事を提案。上座のない円卓で会議をしようと各地から騎士を集める。グィネヴィアが嫁入り道具に持ってきた150人座れる円卓ってどんなに大きいの?持ってこれた?組み立て式?と突っ込まずにはいられなかった笑。

 

アーサーの悩みを優しく受け止め、共に悩み考え励ますグィネヴィアの姿が、5年の間に築き上げてきた2人の関係を感じられ、微笑ましかった。

 

セ・モア 

ランスロット歌唱

ランスロット登場

キャメローットの第一声はとにかく鳥肌もの。今まで聴いたことのない低音で力強い歌声!とにかく自分は強いっていう歌で自信に満ち溢れた硬派で屈強な騎士。

ピンと背筋を伸ばし颯爽と歩き顎を上げマントをひるがえし上手下手前後へと歌いながら移動。とにかく格好良くて恋。

照れるけど嘘はつけません

っていう歌詞が可愛かった。

世界一偉大なる男は誰だ...私だ!手を胸に。誰か(仮装したアーサー)を殴った時のセ・モアは一段と力強い歌声だった。

照史くんは体格が良くて胸板も厚いから騎士の出立ちが本当に良く似合ってた。

後で出てくる甲冑姿は他の人の2倍あるんじゃない?っていうくらい厚みが凄かった。

そして食事制限もして体作りしてたそうなので格好良かったです。

 

桐山照史くんはWEST.の中で歌うま三銃士の内のひとり。普段は高音パートを任される事も多く声量もありフェイクも抜群!そんな彼が今回ランスロットを演じるに当たり、低音の歌声や発声を習得する為に相当練習されたのでは?とにかく圧巻の歌声でした!

(後のラジオで歌のクセを直すのが大変だったと仰ってました)

 

アーサーとランスロット初対面

誤って仮装したアーサーを殴ってしまったランスロットは頭を低く低く跪き謝る。

「どうかお許しを。許してほしいからではなく、許して頂くには値しない人間だからこそ許して頂いた事で罰を受けたいのです」(ニュアンス)

このセリフに真面目さと可笑しさを感じて、これがランスロットか!と思える会話だった。お付きのダップに口パクで座れと指示するシーンもなんだかお茶目。

自分の名を名乗る時の、ランスロット・デュ・ラックの言い方も好き。

 

円卓の騎士に志願しに来たランスロット。何か任務を与えて下さいと言う彼に、今からピクニックに行ってる王妃を驚かせに行く所で特にすることは無いと言うアーサー。

騎士がピクニックですか!

差し迫った危険は?

敵はめったな事では休みません!

この真っ直ぐな人柄が面白おかしくて、でも頼もしいランスロットでした。

 

情熱の5月 

グィネヴィア、アンサンブル歌唱

ピクニックのシーン。グィネヴィアがピエロを引き連れて登場するのが可愛くて、頭上のバラも花冠もピンクの衣装も可愛くて。なのになんだか歌詞がエロい。5月が来たみんなハメを外して抱き合うのって、ダンスもペアで淫らになっちゃってどんな季節なの?アンサンブルは圧巻でこれぞミュージカルの魅力!耳が幸せだった。両手に花の騎士の方がいたね。

 

王妃とペリノアの初対面

膝が痛くて跪けないシーンはアドリブかな?3回観劇して少し違ったような。

どやさ!ぼよよーんとか。どやさは関西限定かな?

物語の中で癒しで楽しかったし、アーサーの良き理解者であり友であり従者であり、とても重要な存在。ベッドと羽毛の布団と枕を献上したい(長年野宿暮らし)

 

ランスロットとグィネヴィア初対面

ランスの目が恋してたよね?一目惚れだったよね?不器用で真っ直ぐなランスロットの噛み合わない会話が面白く、グィネヴィアは反発ばかりしてたけど次第に惹かれていったのか。その後のセリフでランスが最初から気付いていましたって言ったのは、自分の事を好きだもしくは好きになるだろうって思ったからなのか。

ランスロットが立ち去る時の、顎をクイっと上げた歩き方が好き。

釣りはするのか?

しない←の言い方が照史くんだった笑。

 

ランスロットが考えた騎士養成プログラムが気に入らないグィネヴィア。3人の騎士と戦わせてランスロットを打ち負かしたい。3人の騎士にスカーフを渡すグィネヴィア。

王妃のスカーフを着けて戦う事が名誉なのかな?ディナダンがどんな風に可愛くお願いしてきたのか気になる!

 

女性と生きるなら 

アーサー歌唱

女性に不慣れなアーサー。グィネヴィアのランスロットに対する厳しい態度が理解出来なくてマーリンも側にいなくて悩んでる。動物になるより女性になって女性の気持ちを学ぶべきだったって可愛くない?

そう愛をただ愛を深い愛を愛をの歌い方が優しくて切なくて優しい

 

馬上槍試合 

アーサー、グィネヴィア、アンサンブル歌唱

対戦相手含め全員の無事と健闘を神に祈るランスロット。馬鹿にされていたがそこが彼の真面目で真っ直ぐな良い所。

本当に試合をしてるかのような緊迫したアンサンブルの歌声とセリフと動きが圧巻だった。2階で観た時は全体が見渡せ一体感を感じ、1階で観た時は迫力がすごかった!

拳を振り上げ騎士たちの応援する姿と歌の抑揚で白熱した試合を想像することが出来た。

アーサーとグィネヴィアの目線の違いに気付き、目の動きと表情の演技で心情を表していて素晴らしかった。それにしても槍が長くてびっくり!

 

ランスロットが試合で殺めてしまった騎士を生き返らせるシーン。

静まり返り緊迫した空気の中、観客を含めそこにいた人全員が息を呑み、見守ったあの緊張感はあそこでしか味わえない。

跪き手を合わせランスロットを見つめるグィネヴィア。私の席からは見えなかったけど涙を流していた?ランスロットへの尊敬の念が恋心に拍車がかかった瞬間だったのか。

 

愛しいまなざし 

グィネヴィア歌唱

グィネヴィアの態度に不信を持ち、しばらく城を離れて休暇を取るよう勧めるアーサー。部屋にひとり残ったグィネヴィアの歌唱。ランスどこか遠くへ行って、帰ってこないで、再びあなたの眼差しを見ると苦しくなる。これは完全に恋してる。

 

ランスロットとグィネヴィア

命を救ったランスロットに騎士の称号を与えられる、任命式前のふたり。部屋を立ち去ろうとするグィネヴィアに

待って、行かないで

ジェニー愛しています

ついに言葉にしてしまった。

いつからランス、ジェニー呼びになったの?ランスロットの話し方が甘く優しく恋してるソレ。きゅんです。

そこへアーサーが来て2人はこっそり見つめ合いアーサーは気付いてないフリをする。あのシーンが切なくて切なくて…

 

任命式の王と王妃の衣装がとても厳かで豪華で玉座も立派で。そうだ王と王妃だったんだと改めて地位の違いを感じずにはいられなかった。

式典ではランスロットに対し他の騎士と同じように接するアーサー。心中を察すると辛い。ランスロットのマントを後ろに大きく広げた後ろ姿は美しく気品があった。

 

1幕最後のシーン

2人の仲に気付き王として男として決断しなくてはいけない。文明的な王としてどうすべきか。王座にエクスカリバーを支えにしながら傾いて座っている姿が印象的。怒りと悲しみと慈しみと愛情が入り混じった感情が肉声と表情から痛いほど伝わってきて苦しくなる圧巻の演技。

グィネヴィアをどんなに愛してるか、ランスロットをどんなに愛してるかを語る姿は切なくて涙が溢れた。

全ての女性の中で笑顔、笑い声、心どれも愛するのはグィネヴィアただひとり。

全ての男性の中で友であり兄弟であり息子であるのはランスロットだけ。(ニュアンス)

2人を愛している、この言葉に救われるがこの言葉に苦しめられる。

 

マドリガル 離れられない

ランスロット歌唱

2幕最初ランスからジェニーへ

自分の心を詩にしたため歌い上げるランス。私を想って詩を書いてと言うグィネヴィアに書けない…想いが強過ぎて…だなんてきゅん。

甘くて甘くてたまらない歌声。セ・モアの歌い方とは大違い。

どの季節も貴方に夢中で離れられない恋の歌。春も夏も秋も冬も離れられない決して。両手を広げるランスにきゅーん。

グィネヴィアがランスロットの腕をすり抜けたり、手をちょんって触ったり、それを優しく愛しい目で追いかけるランスロットがたまらなく好ききゅん。

(きゅんきゅん失礼しました)

 

七つの退屈な美徳

モルドレッド歌唱

2人の逢瀬をたまたま目撃したモルドレッド。入野自由さんの歌は表現豊か客席の上下左右まで見渡し隅々まで届く圧巻の歌声!黒い衣装や出立ち話し方ですぐ悪役だと分かる存在感!モーガンおばさんと妖精達のシーンはおとぎ話みたい。赤い子達可愛い。所々出てくるファンタジー要素が息抜きになる。チェリークリームの言い方が可愛かった。モルドレッドは王の不義の子でランスロットとグィネヴィアの秘密を武器に謀反を企てる。モルドレッドは複雑な環境で育ったとか?その辺りをしっかり原作を読んでおけば、心情も違ったかな。

 

普通の人々がやること

アーサー、グィネヴィア歌唱

モルドレッドの傍若無人ぶりに手を焼くアーサー。王と王妃の重圧から逃れられない2人。普通の人達はどうやって気分を上げてるのかに対してアーサーは次から次に提案してるのにことごとく却下されて可愛そう。歌を歌ったりダンスしたり口笛吹いたり。王妃のわがままっぷりがなんとも可愛くもありお姫様感。口笛吹けない演技と坂本くんの〜らしいの歌い方が優しくて可愛い。アーサーはどこまでも優しく、グィネヴィアはその優しさに包まれて愛を育んできたのかな。

 

秘めたる想い

グィネヴィア歌唱

2023年ブロードウェイ版ではランスロットが歌っているが今回はグィネヴィアが歌っている事にどんな演出の意図があったのかな?(1982年版はグィネヴィア)

王が不在の中王妃の寝室に行くランスロット。なんて大胆!2人でジョイアスガード(自国)へ行こうと言うランスロットに王を裏切れないと断るグィネヴィア。

ランスロットはもうここへは来ないと告げグィネヴィアはもうお互いに優しい言葉をかけ合うこともないのねと別れを惜しむ。一度部屋を出ようとするランスを呼び止め2人抱き合うシーンは切なく、ランスロットの涙にもらい泣き。ここのシーンの照史くんの細かい表情や涙、手の先の演技まで、一階で肉眼で観れて良かった。この歌ランスロットでの歌唱も聴きたかったな。2人の掛け合いでも良かったんじゃない?

 

後ろからランスロットがグィネヴィアを抱きしめるシーンはここだったかな?

覆い被さるのではなく、ランスロットがグィネヴィアを後ろから自分の胸にグイっと引き寄せてから抱きしめる所がまたきゅんでした。あれは演出?自然にそうなったのか?

 

グィネヴィア 

アンサンブル歌唱

モルドレッドに逢瀬の現場をおさえられ、グィネヴィアが火炙りの刑に処されるシーン。華やかなドレスから一転ブルーグレーの囚人服のような出立ち。アンサンブルの歌が恐怖と危機感を煽る。

王妃を殺すか法を殺すか…

結局王は処刑出来ず自国の軍勢を引き連れ戻ってきたランスロットはグィネヴィアを助け、円卓の騎士団と戦い崩壊することに。

マーリン!僕を鷹にしてくれ、ここから逃げ出したいと言ったアーサーの悲痛な叫びが痛々しく苦しい。

無理やり着せられた甲冑が弱々しく見えた。

 

戦い後のシーンは赤い照明や倒れた旗、吹き荒ぶ風で表現されていて、2階からの方がよく観えた。

 

グィネヴィアは修道院へ、ランスロットは自国へ帰ることに。3人のシーン。

ランスロットの、

他に出来ることはもうないんですか!と

グィネヴィアの、

もう元には戻れないのね

のセリフには考えさせられるものがあった。そもそもお互いを好きにならなければこんな事にはならなかったのに。抑える事が出来なかった気持ちが痛ましい。元に戻るとは?ランスに出会う前?

最後まで2人を責めることをしなかったアーサーに、懐の深さを感じる。

 

フィナーレ キャメロットリプリー

アーサー、アンサンブル歌唱

円卓の騎士に志願してきたトムと名乗る少年に武力ではなく法によって統治してきた円卓の騎士団、キャメロットの信念を語り継いで欲しいと託す事で幕を閉じる。

徐々に歳をとり悩み苦しみもがいて憔悴しきっていた王が、最後のスポットライトを浴びた姿は神々しく力強く見えた。

 

最後まで人間味溢れる優しい王で、武力ではなく話し合いで平和を目指す姿は現代にも通ずるものがある。

 

グィネヴィアはいつまでも若々しく美しかったのは恋していたからなのか…

 

肉体は完璧に鍛え上げたが精神は未熟だと言っていたランスロット。不器用で真面目で硬派で真っ直ぐが故にグィネヴィアへの想いを封じ込める事が出来ず破滅へと向かってしまった切なさ。

 

2人は別れを選び一緒になる事を選ばなかったのは、やはりアーサーを愛していたから。アーサーが2人を責めなかったのもやはり2人を愛していたから。

モルドレッドに見つかっていなければ、想いを封じ込め何事もなかったように暮らす事が出来たのか。

 

最後に

キャストの皆様の歌声、演技、衣装も素晴らしく生オーケストラの音色が物語を何倍も色付けて華やかで感動しました。

1回目は2階前列で観劇し全体の内容を把握したり双眼鏡で覗いたりで必死、2回目は1階でよりお芝居を堪能し、3回目は1階で、最後なので照史くんに集中して。だけど贅沢を言えば、アンサンブルの皆さんひとり一人の細かいしぐさや衣装も観たかったので、もっと観たかったなと思いました。

 

坂本くんは言わずもがなとても素晴らしく、優しい歌声と包容力のある姿はきっとご本人そのものなんだろうと思いました。

 

そして照史くんの坂本くんと舞台で共演したいという夢が叶い、新たな魅力に触れ、これからも舞台に立ち続けて欲しいという気持ちでいっぱいです。

 

改めて原作を読もうと思います。

 

最後まで読んで下さりありがとうございました。